フリーランスには、会社が用意してくれる福利厚生や退職金がありません。
この点でフリーランスより会社員の方が有利と考える人は多いです。
しかし、10年以上フリーランスをしてきた僕の考えは逆です。
退職金や福利厚生の面を考慮しても、フリーランスの方が経済的には有利だと考えています。
この記事では、10年以上フリーランスをしてきた経験と、統計データを参考に福利厚生と退職金がなくてもフリーランスが有利な理由を解説します。
会社が負担している退職金と福利厚生費は約16万円

退職金も福利厚生も会社が用意してくれているとはいえ、それは僕らの稼ぎから捻出されています。
毎月貰うお給料とは形は違えど、会社が従業員に支払う費用という面では同じものです。
会社員のお給料は下記のように考えることができます。
実際の給料 = 額面給与 + 退職金積立金 + 福利厚生費用
会社員が福利厚生と退職金があるから有利というのは、言い換えれば毎月のお給料に「退職金積立金 + 福利厚生費用」が上乗せされる分、給料が良いということです。
であれば「退職金積立金 + 福利厚生費用」の金額がかわれば、会社員がどれほど有利なのか目に見える形で理解できます。
経団連が、企業が負担している福利厚生費や退職金の金額を公開しています。
福利厚生費 :108,517円
退職金 :47,354円
※値は年間負担総額を年間延べ従業員数で除した「従業員1人1ヵ月当たり」の平均値
※退職金は、調査期間中の退職一時金と退職年金の支払総額
会社が負担してくれている福利厚生と退職金の平均値は16万円ほどのようです。
フリーランスの強みは高い報酬

会社員は額面給料とは別に、毎月約16万円の見えない給料(退職金積立金 + 福利厚生費用)があるということです。
会社員からフリーランスになって収入が増えたと喜んでいても、16万円以上増えていなければ実際の収入は減っているという悲しい事態に。
逆に16万以上稼ぎが増えるなら、退職金や福利厚生がなくても、フリーランスの方がお得と考えることも出来ます。
僕の場合ですと、会社員の時は額面25万円程だったのがフリーランスになった直後に50万円以上になりました。
その後も順調に伸び、月80万~100万くらいで安定しています。
収入の差は16万を余裕で超えているので、福利厚生や退職金がなくてもフリーランスの方が良かったと思っています。
もちろん、これは人によって状況はことなります。
もともとの会社員の給料が高い人は、フリーランスになって16万以上収入をアップするのが難しいかもしれません。
逆に、福利厚生が貧弱だったり退職金がない会社なら、会社は月16万円も負担していないかもしれません。
そのような場合なら、フリーランスの方が経済的に豊かになれる可能性は高いでしょう。
人それぞれ異なるので、自分の現在の収入と、フリーランスになった時にどれだけ収入が得られるか確認してみましょう。
フリーランスエンジニアの報酬は、フリーランスエージェントの案件を見て確認することができます。
無料ですので、まずは覗いてみて自分がフリーランスになったらどれだけ稼げるか確認してみるのも良いでしょう。
おすすめのエージェントは下記の記事で紹介しています。
10年以上のフリーランス経験から信頼できるエージェントのみを厳選しています。

フリーランスが活用できる福利厚生サービスや制度

また、フリーランスも自分で退職金や福利厚生を用意することができます。
実はフリーランス向けの制度やサービスってたくさんあるんです。
いくつかご紹介します。
小規模企業共済
小規模企業の経営者や役員、個人事業主は小規模企業共済制度を利用することができます。
国の機関の中小機構が運営する制度で、退職金を積み立てることができます。
積み立てた資金は運用されて、1%程度の利回りが期待できます。
しかも、掛金は全額所得控除になり、節税効果も抜群です。
退職金をお得に、自分で用意することができるのです。
iDeCoの掛金の上限が多い
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、私的年金の制度です。
税制上の優遇も受けれる非常にお得な制度なのですが、この掛金の上限が、会社員の最も多い条件が月2.3万なのに対して、自営業者が月6.8万円と約3倍です。
年金を上乗せすることができるので、個人事業主にない厚生年金の代わりにすることができます。
満額の6.8万を30年間拠出した場合のシミュレーション結果がこちら。

厚生年金以上に、年金額を上乗せできそうです。
節税効果もあるので一石二鳥。
フリーランス協会
フリーランス協会は、フリーランスための非営利団体です。
有料会員になると、様々な福利厚生サービスを受けることができます。
さらにフリーランスならではリスクをカバーしてくれる保険が付帯。
会社の保護を受けれないフリーランスの強い味方です。
福利厚生や退職金以上に稼げれば良い
フリーランスには福利厚生や退職金はありませんが、代わりに高い収入があります。
福利厚生や退職金の会社負担分以上に収入が増えるなら、フリーランスの方が経済的には有利と言えます。
福利厚生や退職金が無いからと、漠然と不安になりますが、実際に数字にすると比較できますね。
もちろん、これだけでフリーランスの方が良いと断言できるわけではありません。
他にも不安要素はありますからね。例えば年齢のことなど。

とはいえ、ひとつ判断基準にはなるではないでしょうか。
この記事が少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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